コミックレビュー

【ネタバレ注意】無能なナナ54話「告白」→少年が絶望で堕ちる最中、少女は全ての罪を打ち明ける決断を下した

53話、嫌な事件でしたね……

まさか、ナナオにとって生存していたことのほうが不幸だったとか、誰が予想したことでしょうか。

複雑な想いはあれど、慕っていた父親から非情な態度をとられ、絶望したナナオが、取り返しのつかないことを。
そして、それにより能力開花してしまった状態は、ある人物が意図して引き起こしたようで……

知れば知るたび、中島ナナオの闇を感じずにはいられない54話。
後味はかなり悪いものの、物凄く面白いです。

 

更に、ナナがキョウヤに本性を曝露する様子も!?

 

以下では、少年ガンガン2020年11月号掲載分「54話 告白」に関するレビューを書いております。

ネタバレ厳禁な方はご注意ください。



無能なナナ 54話のストーリー

3ポイントでまとめてみた54話の展開

  1. ナナオは父親を殺めてしまい、混乱するが、鶴岡の異様な行動・ナナの本性、そして父親の知らぬ一面を知り絶望する
  2. 鶴岡から『この状況を仕組んだのは自分だ』と聞かされたナナオは、ある選択を問われ…
  3. 一方、ナナとキョウヤは監視カメラで中島ナナオの存在を確認。
    キョウヤにナナオとの関係を問われたナナは、ある決断を下す。

 

【補足】「悪」を堪能する男の本心が露呈!

父親からの罵倒・暴力で混乱したナナオは無意識に『無能力』を発揮。
結果、実の父を手にかけてしまう事態に。

ナナオの能力は『生きるための能力(指令)を無力化』もできるようで、53話にて医療班の男性に危害を加えたのはその予兆、父親とのやり取りで本格的に開花してしまったのだと鶴岡は語る。

 

大量の血を出し倒れた父を案ずるナナオは、鶴岡に助けて欲しいと頼むが無視される。
そして、鶴岡はある人物からの着信を優先し、ナナオの前で会話をし出す。

……会話の相手は、ミチルを救いに行く途中のナナだった。
(台詞を見る限り、時系列はレンタロウがミチルを襲い、ナナが救出に向かっている辺り)

 

鶴岡はこの事態を自ら仕組んだ(ナナオの父親がナナオを責め、『無能力』の力が増すこと)と曝露。

更に、ナナオの父親は、一見、非情ではあるが、息子に会うために、相当の労力や時間・金銭を出していたこと、入院中の息子のためにと見舞い品を多々用意して持ってきていた真実を話す。

 

自身に対して「悪を堪能している」と語る鶴岡は、ナナオに何事も無かったかのように逃げるか、こちら側に来るかの選択を与える。

ナナオは顔を歪めながら後者を取り……

 

一方、ナナはキョウヤと共に、ヒカル殺害の真相を追求。
監視カメラに変わり果てたナナオの姿を発見した。

キョウヤからナナオとの確執を問われるナナ。
追い詰められたナナは、キョウヤに『全て』を告白する決断をする。

 

【感想】鶴岡、愉悦部説?そして、念願のナナ&キョウヤの共闘ルートくる!?

今まで隠れたままだった鶴岡の本性が見えた超重要回でしたね。
台詞のまま解釈するなら、人の不幸や自身の悪意で相手が壊れるのを見るのが好きなタイプかと。
(タイトルの愉悦部、Fateネタですみません。一言で表すには適すぎる表現なので使わせていただきました)

ナナの両親を惨殺したのも、その性格故だったのかもしれません。

もしくは、自分が悪であることで、何かをしようとするタイプな可能性もありそうだなと。
どちらにせよ、ナナやコハルにしたことを考えると、ろくでも無い奴なんですけどね。

 

ナナオ父が当人なりに息子を可愛がってた可能性については、本当か否か分からない(ナナオ父が亡くなってるのと、関係者が周りにいないのでぶっちゃけ、鶴岡の好きな言いようができる状態)のも怖い……
本物か不明なモエの祖母が出て来た時と同じレベルのホラーでした。

だって、あの紙袋って鶴岡が事前に(ナナオをより絶望させるため)ナナオ父に渡してたかもですし、ナナオ母や使用人が気遣って渡した可能性もあるんですよね……
時計の件を覚えているかについても、結局、謎のままでしたし。

もしかするとあったかもしれない、ナナオ父の善意を信じたいのに信じられない。
これが無能なナナ!!!!!!
(私はネクロマンサー編で大いに騙され、以降は常に疑心暗鬼な読者なので、ミチルやフウコ&リュウジ・コハルに対しては申し訳なさがヤバい……)

余談ですが、例の紙袋の中に巷で噂のプレステ5っぽいパッケージがあって、リアルタイム性を感じてしまったり。
あれが本当にナナオ父が用意した物なら、息子のために入手困難ゲーム機を持ってくるの泣け過ぎる……。

父親を殺してしまい(本人は殺してしまったことを認めたくない感が泥沼フラグっぽくて個人的に好き)鶴岡の本心を知り、ナナや能力者たちへの恨みを積もらせたナナオがダークサイドに堕ちる様はゾクゾクしました。

7巻掲載分で、自分の手を汚さないでいたのは、自分は人殺しじゃない、悪いのは周りだと言う責任逃れのためなのかもと勝手に予想しております。

 

そして、とうとうナナがキョウヤへ全ての罪を打ち明ける決意を!?
ナナがキョウヤへ詰め寄るシーン、超至近距離で接触し出してビックリしました。

周りが見たら絶対誤解するやつーーーー!!!
(恋愛的な告白にも見えてしまうシチュエーション)

ナナとキョウヤがバディになったら、かなり強くなると期待がありつつも、今まで散々ナナに騙され、時には見下されてきたキョウヤがナナをあっさりパートナーにするのかがとても悩ましいですが……

正直、信頼度でいえば、ナナよりも今一緒にいて、裏表を分かっているフウコの方が段違いで高いと思ってしまったり。

キョウヤの性格的に、ナナの罪は許さないけれど、一時的な相棒としては組んでくれそうな可能性も捨てがたい。

管理人
管理人

ナナオの頼みを無視し、絶望や憎悪を植え付ける鶴岡の吐き気を催す邪悪っぷり、凄かったです。
ナナ両親殺害&ナナを洗脳した理由を語る時と同じ位の吐き気(一応、褒め言葉)でした。

53・54話を見るとやっぱりナナオが救われるルートは無いのかなと感じてしまったのですが、彼の終着点がどうなるのかとても楽しみです。
たぶん、ナナは最後までナナオを見捨てないと思うので……