コミックレビュー

【ネタバレあり】やったね、たえちゃんで有名な胸糞漫画にまさかの続編!!痛快アクション物になって帰ってきた!


家族ができるよ!」
「やったね たえちゃん!」

元ネタの詳細は知らなくとも、上記の超不穏な台詞に覚えがあるネット民は、年齢・性別問わず、一定数いるのではないだろうか。

管理人
管理人
「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」「だが断る」のように!!!

私も元ネタである漫画・コロちゃんは未読(かなりハードな鬼畜物かつ成人向けらしいので断念)にも関わらず、何年にも渡り、脳内の片隅に色濃く残っている状況です。

そんな、絶妙な存在感を出していたコロちゃんですが、なんと、2019年11月からコミックフラッパーにて続編が連載開始!!!!
更に、2020年5月23日には単行本1巻が発売されました。

早速、単行本1巻を読んだわけですが、予想を斜め上に行きまくる殺伐系アクションに生まれ変わっており、驚愕からの真顔になった次第です。

そこそこ過激な表現がありますが、大丈夫だ問題無いな方には是非読んでいただきたい。

あの可哀想なたえちゃんはいなくなったんや……!!!
(ただし、別の意味で可哀想になっている)

以下では、『やったねたえちゃん!(コロちゃんの続編)』のレビューを掲載しております。
平気でネタバレをしていますので、これから読む予定の方やネタバレ厳禁な方はご注意ください。



パワーアップを遂げた、やったねたえちゃん

【前提知識】元々は胸糞オチな成人向け漫画

やったね、たえちゃん!は、元々、読み切りの成人向け漫画でした。

タイトルも異なり、『コロちゃん』という名前。
可愛い絵柄に反して、相当エグイ内容のため、読んだ人の一部にトラウマが植え付けられたとかないとか。

内容をざっくりまとめると

主人公のたえちゃんは、両親に捨てられ施設送りになる

捨てられる前に両親から貰ったコロちゃんというぬいぐるみを心の拠り所に逞しく生きる

暫くし、たえちゃんは伯父に引き取られることに

伯父はたえちゃんの体目当てだった
(+あらゆる意味で奴隷にしたかった)

たえちゃんは大人の腕力に適うはずもなく、暴力をふられ、SEI的な行為をされた挙句、コロちゃんは破壊されゴミ箱行き

虚ろな目をするたえちゃんでEND

管理人
管理人
救いは…救いはないのですか!?

オチがオチなため、好奇心で「やったね、たえちゃん!」の元ネタが気になり、詳細を調べると高確率の人間が後悔し、残りの人間は興奮するという結果になるのは想像に難くないわけです。

 

そして時は流れ、2019年11月。
作者のカワディMAX先生のTwitterアカウントで衝撃の告知が来ました。

まさかの、やったねたえちゃん!が連載開始ッッッッッッ!!!!!

今度こそ、コロちゃんは破壊されず、たえちゃんは幸せになれるのか?と期待した方は多いはず。

そして、誰が予想できたであろうかなストーリー展開にかつてのファンや、台詞だけ知ってるユーザーは驚愕するのである。

続編は殺伐系アクション漫画にチェンジ!一体、何があった…

管理人
管理人
続編では、日常的に人が死にまくる暴力で支配された世界観のアクション漫画になってます。
釣りではなく、本当です。

冒頭では、お母さんに捨てられるところから始まり、コロちゃんを心の拠り所にしている描写から始まります。
そして、たえちゃんは元々の漫画通り、伯父に引き取られます。

しかし、歴史は繰り返すことなく、たえちゃんの伯父さんは、ストーリー開始数ページ目で悲惨な輪切り(比喩ではなく、本当に)にされる展開に。

殺害された伯父さんの現場検証している刑事は、たえちゃんの写真を見て意味ありげな言動もしており……

 

実は、たえちゃん、別の人格(今作からの設定)を持ちです。

いつも辛いことを必死に耐えている『たえちゃん』の精神が限界または、コロちゃんが破壊されそうになると『たえない子ちゃん』に人格チェンジ→たえちゃんに悪意をふりまく人間を糸を使って滅していきます。
(コロちゃんに仕組まれた糸で戦うため、相手は大体スッパリ切られる)

たえない子ちゃんは、基本的にたえちゃんがピンチの時にしか出ないタイプなのですが、心無いクラスメイトやロリコンクソ教師のせいで、たえない子ちゃんは頻繁に出現し、その度に加害者が輪切りにされたり、色々切り落とされたりします。

加害者側は、全員クソなので自業自得なものの、結局、たえない子ちゃんの行為は殺人であり、その罪を背負うのは、体の持ち主である、たえちゃん。

それを危惧する理解者が、たえちゃんをイジメなどから助けるものの、最終的には、かなりヤバい犯罪に手を染めているヤンキー集団と因縁を持ってしまうハメに。

 

え?エロ漫画がどうしてこんな血生臭いアクション系になったかって?

書いてる自分も分からない…

 

たえちゃんの敵が多すぎて笑う

早くに鬼畜伯父が死にハッピーエンド★にはならず、ここは北斗の拳ワールドか!とつっこみたくなるが如く、たえちゃんの前には敵が立ちふさがります。

たえちゃんの敵は伯父だけではなかったのだ…!

管理人
管理人
どクズなイジメっ子たちが雑魚に見えるレベルでヤベエ奴らが出てきます。

1巻収録分に出てくるたえちゃんの敵一覧

  • 伯父さん
    (過去、多数の読者にトラウマや性癖を植え付けた元凶。開始数ページで輪切りにされるので、今作に限っては実質雑魚)
  • たえちゃんをイジめるクラスメイトたち
    (たえない子ちゃんやキッカに報復されてもイジメを止めない謎の強メンタル持ち共。その強さは他のことに使って)
  • ロリコン担任教師
    (たえちゃんを心配するフリして実は…。因みに、対たえちゃん以外も相当な犯罪をしている)
  • 地元のヤンキー集団・罵威亜愚羅
    (強○上等がモットーな集団。いわゆるヒャッハーの人たち。読み方は心の中でどうぞ)
  • ↑のトップの身内であり、拷問が大好きなサイコ野郎
    (恐らく裏稼業の人間。人の苦しむ声が好きなどS)

下に行く度、たえちゃんが住む地域がいかに治安が悪いかが分かります。

敵がやたら多すぎる反面、たえちゃんには、コロちゃん・たえない子ちゃん以外の仲間が存在しています。

たえちゃんがお世話になっている『児童養護施設・なのはな学園』の園長先生と、たえちゃんの姉的存在のキッカ。

二人は諸事情でたえちゃんの多重人格な面を知っており、なるべくたえない子ちゃんを出さないようにと、表裏問わず、手を回しています。
(キッカはたえちゃんと同じ学校に通いつつ、サポートをしてますが、イジメっ子たちの『イジメを止めたら負けだと思ってる精神』が強すぎて、守りきれない時も)

因みに、園長先生は、温厚なおじいちゃんに見えて元裏稼業の人間(人斬り)だったようです。
そして、死○処理をしてくれる裏的な業者たちとの太いパイプ持ち。
やっぱり、たえちゃんの地元、治安が修羅の国クラスだよ……!!!!!!

 

この漫画が、どこへ行こうとしているのかを見届けるだけでも、物凄く読み応えがあると思います。



今後、面白くなるであろうポイント

1巻では、たえちゃんの背景事情ブレーキが一切ないアクション物として綴られていました。
個人的に、今後、ストーリーが更に楽しくなるであろうと感じた部分は以下の5つ。

  1. たえちゃん&たえない子ちゃんの関係
  2. 警察がたえちゃんを怪しんでいる様子
  3. たえない子ちゃんが殺した罵威亜愚羅総長の兄との因縁
  4. たえちゃんの身を心配する園長先生とキッカの今後
  5. コロちゃんや、たえちゃんを捨てた両親について

 

たえない子ちゃんは、かなり凶暴な性格として描かれており、今後は更に人を殺めていきそうな予感。

ただ、境遇と心優しい性格故に虐げられがちなたえちゃんは、たえない子ちゃんがいなければ、元の成人漫画の展開待った無しになっていたのも真実です。
※そもそも、伯父さんからたえちゃんを救ったのは、たえない子ちゃん

たえちゃんと、たえない子ちゃんがどう心の折り合いをつけていくのかは、物語の重要ポイントになるかと思います。

また、コロちゃんはたえちゃんの空想フレンズという立場だけなのか?

罵威亜愚羅総長の兄は、拷問大好きなサディストとのことで、たえない子ちゃんとのバトルは必須そう。
もしくは、園長やキッカが戦うとか?

もう、色んな意味で予想ができず、ガチのガチで楽しみです。
あと、たえちゃん両親の正体も予想外な驚愕系にして欲しい。
いっそのこと、ラスボスとか。
(たえない子ちゃんの設定的にただただクズな親オチの可能性が高そうですが、ぶっとんだ設定にしてくれそうな可能性にも期待!)

 

管理人
管理人
たえちゃんの戦いはこれからだ…!!!!!!

【感想】良い意味で予想が付かない漫画でした!

過去の作品を絶妙な調理具合で再構成してくれたパンチ力のある漫画だと思います。
設定がとんでもないけど、自然と惹かれる熱さが籠っているんですよね……

特に、最初の数ページで過去のラスボス・伯父さんをあっさり屠る展開とかはバトル物感がして胸が熱くなったり…!
かつての敵があっさりやられるのは、バトル物の王道!!!!

サービスシーンや過激シーンが多いのに、絶妙に可愛い絵柄や謎語彙力のお陰で嫌悪感がわかず、むしろ、時にはコメディに見えてしまう時もあり、カワディMAX先生…恐ろしい!!!!と思いながらページをめくりまくりました。

流石にロリコン教師の股間を文字やコロちゃんで見えないようにするコマは噴き出してしまった…展開的に笑うところじゃ全然ないのに…。
途中からは、隠すのが面倒になったのか、ざっくりなモザイク処理されてるのが併せてツボ。
あと、教師の某下半身箇所をストローに見立てるのは、エロスな漫画を手掛けている漫画家さんだからこその案なのではと謎の感動をした次第。

江里奈(イジメグループのリーダー格)は、たえない子ちゃんに恥をかかされようが、取り巻きがキッカにボコられようが、イジメを止めない謎メンタルを披露した故に後半はギャグキャラになってた印象。
ただ、序盤でやってたことを考えると、取り巻きも含め、もうちょっと痛い目あってもよかったなと。イジメ駄目絶対!!

個人的にはたえちゃんの理解者かつお姉ちゃん的なキッカが推しです。
ポニーテール×面倒見が良い……最高だ。
そして、たえない子ちゃんとの割とギスギスした関係も好きだったりします。
先の展開で二人が手を組む流れとかになったら熱すぎる!!!!

主人公が糸で戦う的な意味でアラク●ドを思い浮かべてしまった管理人でしたが、そのノリでいくと、行方不明の父親orたえちゃんを捨てた母親が、何かしらの凄い能力持って出てくる気も。
(余談ですが、アラ●ニドはガンガンJOKERにて続編が連載され、現在進行形で楽しんでおります。某実は生きてたキャラの仮死ネタ見て、死んだ母親が生きてるんじゃないかと勝手に予想中…)

 

今回、ご紹介した漫画はこちら

紙媒体・電子、どちらも購入可能のコミックです。