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【漫画・ネタバレ&感想】深夜のダメ恋図鑑5巻|女性叩きをする拗らせ男の真実

勉強になる、ダメ男とのバトル漫画『深夜のダメ恋図鑑』
今回は5巻の紹介です。

円がまさかの相手と交際前提の食事会参加!
精神的に困ってた佐和子の切ない過去話。
(故郷で女性というだけで理不尽な扱いを受けて来たエピソードもあり)
八代、とうとう千代へプロポーズするがダメセンスを発揮してしまい…
4巻からの新キャラ・拗らせ物申すマンこと、市来がどうしてああなったかも判明!?

衝撃が衝撃を呼ぶ一冊となっています。



5巻に収録されているダメ男の話はこちら

ダメ恋シリーズのメインキャラざっくり紹介

  • 福間 千代
    3人組の中で唯一の彼氏持ち。
    剛毛かつちょっとだけ残念な八代に夢を何度も崩されながらも着実に関係を進めている。
    今回は彼からプロポーズされるが…!?
  • 古賀 円
    彼氏がいそうでいないバリキャリ元ヤンキー。
    相変わらず変な男にまとわりつかれるが、とうとう桁違いの奴に出会うことに。
    また、異性に対して色々拗らせている市来との関係も必見。
  • 千鳥 佐和子
    精神年齢の低い彼氏・諒と別れ、新しい道を歩む。
    5巻では、女性であることで理不尽な使いを受けた話や、精神がきつい時に怪しい勧誘を受けた過去を曝露。
  • 八代 智司
    千代の彼氏。今回は彼女へプロポーズ・親への挨拶と特大イベントが立ちふさがる。
    基本的にいい人だが、ちょっと残念な部分が大事な時に発揮してしまうタイプ。
  • 国分 諒
    佐和子の元彼氏。
    過去のやらかしを全く反省せず生きている模様。
    5巻では親友の市来に頼み、異性と食事をするが思いもよらぬ展開が待ち受けていた。
  • 市来 信博
    諒の大学時代からの親友。女性に対して拗らせている節があり、何かと正論を言って負かそうとする。
    その原因は、家族やこれまでの経験が関係しているようで…
    円とは喧嘩しながらも不思議な縁を続けている。

File33 父と兄

  • 料理が下手すぎて3日で飽きられる女VS母親が3日いないだけで死活問題な男たち(円)

円ファミリーの日常(?)回。

父親とお兄さんは文句ばかり言う男たちな印象だけど円がキレた際には改善はしようとした面では凄くまともだと思う。

お互い言いたいこと言って時には怒る的な。

円は自炊できるタイプだと勝手に思ってたのでちょっと意外でした。

File34 頑張れ市来1

  • 異性は正論で叩き潰すマンが出来た理由(市来)

4巻から登場した女性に対して拗らせている男・市来の日常と異性に対して思うところがある理由が掲載。

姉・妹にかこまれると確かにこういうことはありそう。
お姉さんも妹さんもかなり強気な感じだし…
(これである程度、大人しかったり、女性であることを武器にするタイプじゃなければ市来も拗れなかったのかも)

市来に一方的に惚れて、一方的に別れを告げた子は、市来の言い方もアレなので賛否両論かな……イラついていたとはいえ、流石にあそこまで追い詰めるのはやりすぎかと。
(自分はインスタ映え目的で食事頼んで残すタイプ地雷なので、その点だけで、彼女は生理的に受付けなかったですが)

File35 衝撃の出会い

  • 頼まれて食事した男がまさかのあいつだったんだが…(円)

円との食事相手、顔が見えないよう描かれている+失恋したエピソードの時点でまさかと思ったら諒だった!!!!
(落ち込む諒のために、市来が円に頼んで食事をセッティングしたオチ)

よくよく描写見ると地雷要素あるように描かれてるのが物凄く面白かったです。
(円が困った時一切助けない・自分の事を棚にあげる・円にお金を多く出させようとするなどなど)

食事の際、諒は元カノである佐和子のことを一切悪く言わなかった点を見なおそうとしたら次のページでクソっぷりを披露して、諒は流石やなと感心してしまいました。

File36 センスゼロ男

  • 八代くんのサプライズが本当にサプライズで辛い…(千代)

とうとう八代が千代へプロポーズ!!
オシャレなお店でエスコート→婚約指輪のサプライズ…だが、八代のセンスは壊滅的にヤバかった…というギャグオチ。

八代の選んだ指輪が本当にヤバいのでぜひ、漫画を読んで確認して欲しい…

そんな、八代のクソダサセンスで泣くものの今までのように逃げずに改善案(結婚指輪は一緒に買おう)をナチュラルに言う流れと、ラストの千代目線の独白が物凄く好きです。

ゼク○ィって確かに執念的な重みありますよね。

 



File37 勧誘男

  • 心の勉強+付き合ってくれるかも知れない男性との交際費=20万!?(佐和子)

佐和子の学生時代のちょっと切ない話。
精神的にまいってる時の勧誘って凄く魅力的に感じるよね…的なかなり勉強になるストーリーでもありました。

あんなに持ち上げられて20万と言われた際に一歩進まずに止まれた佐和子にはただただ尊敬。

佐和子に心の勉強(笑)を勧誘してた北俣くんは多分ノルマを課されてるか、どっぷりだまされてるんだろうなと予想。

あと、大学ってやたらこういう勧誘系の人いるけどそれだけこの年代は将来に迷いがちor勧誘に引っ掛かりやすいんだろうか……

File38 私が出会った男

  • なんでも強いられる女性という立場はしんどいと思っていたけれど…(佐和子)
  • 他人事のように子沢山計画を作るのはやめて欲しい(千代)

佐和子の幼少期から、現在に至るまでの話。

小さい頃は大人から愛嬌を出せと言われ、性別だけで見下されてきた。
大人になって彼氏を作ったら、やっぱり女であることを馬鹿にされ(原因は主に諒)…とハードな人生を送ってきた佐和子。
諒の「女は甘えられていいよな」的な言葉、きっと佐和子の中ではずっと反芻されるんだろうな…罪深い男だ。

周囲の女友達が信じていた彼氏に「若い子がいい」と捨てられたり、子育てで大変な親戚は無責任な男共に苦労が足りないと説教され……女性であることがしんどい中、ちょっとほっこりするオチは必見です。

佐和子、社内でいい人いないのかなー

千代サイドは、子供好きな八代が勝手に子沢山計画を立てはじめて不安になる流れ。
まだ、結婚もしてないのに5人は絶対つくる!なノリは確かに重い…
(八代はお父さんになったら、しっかり子育て手伝ってくれそうですけど)

 



File39 頑張れ市来2

  • 女がイケメンにキャーキャーして許されるなら男がアニメキャラに熱中しても問題ないだろ!(市来)

拗らせ男・市来の受難その2。

女性ばかりが優遇される制度に納得がいかない市来…
映画館や婚活サービスの女性優遇は、女性客を集めるためにしている気がしますが、電車の女性専用車両は逆バージョンあってもよさそうですよね。

色々と拗らせていく内に、アニメオタク(?)へクラスチェンジしたようで。
妹にドン引きされる件は理不尽に見えて急にあの光景見たら驚くかもな的な複雑な心境。
(自分もオタクなので)

File40 娘溺愛男

  • 娘が好き過ぎて彼氏に冷たくする父親はリアルだと、とてつもなくうざい件(千代)

八代が千代両親に挨拶するものの、千代父に塩対応され…という修羅場話と思いきや、千代父の娘への愛がアレなやつ。

千代が既につっこみ済みですが、当人が娘のために~としてること、千代の立場を悪くすることばかりですよね。
実際にやられたら絶縁するレベルや……。
(尾崎先生の他作品の子供に色気づくなと恋愛事を過剰に禁止する話を思い出してしまった)

娘が好きなあまり、八代に理不尽な態度をとる千代父と、それを咎めなく笑ってスルーする千代母…ギャグっぽいオチにされてたけど普通に毒親だと思ったのは私だけなのだろうか…(真顔)

File41 頑張れ市来3

  • 映画館で女児向けアニメの子供用特典が欲しくて悶えてる男と遭遇してしまったんだが…(円)

拗らせ+女児向けアニメオタに目覚めた市来が、映画館で子供用特典が欲しいけど『親子チケットを買う勇気』も『フリマアプリで手に入れる気』もないという面倒な状態になってたら円と遭遇して…から始める、ちょっとだけ(?)胸キュン要素のある話。

市来、生きづらいを通りこしてて面白い。
つっこみが的確な円とだから、尚更。

アニオタなのを馬鹿にせず個性として受け入れてくれる円に、なんらかの感情が芽生えたっぽい市来と、市来の意外な姿を面倒だと思いながらもちょっとだけ微笑ましく思う円。

二人の今後が楽しみになるストーリー構成でした。
(ただ、市来は円に諒を紹介しているから、仮に二人が交際したら大丈夫なのかな?という不安も)

 

番外編(夫の役目、妻の役目)

4巻のおまけ漫画(※)に少し登場した円の親友・ゆうこ(共働き&子供あり)の話。
※旦那が全然子育てに協力してくれなくて困ってる件をまどかに相談してた

子供関係の世話は妻がして当然。
仕事を休んで子供の対応をするのも妻がすべき(自分は立場が悪くなるからしたくない)…と、妻に妥協させまくるくせに、育児にやたら口を出してイクメン気どりする夫と暮らす中で強くなっていく描写は5巻内で一番リアリティがあるかもしれない。

共働きで二人三脚でするはずなのに、何故か妻側ばかり割を食う展開って本当にありそう。
旦那さんがちょっとアレだったけど最終的にゆうこの主張を受け入れてくれつつ、現在は尻に敷かれ気味なので後味もかなり良さげでした。



全体の感想を好き放題語るよ

市来の掘り下げ(拗らせた性格になった原因)および、円&市来の描写が多めな5巻でした。
4巻の時からそれとなく恋愛フラグのようなそうでもないような何かが立っていましたが、このまま順調にいくと二人がゴールインする可能性が濃厚になってきた感じ。
(仮にくっついたら、諒に円を紹介した件で一悶着ありそうですが、円&諒のオチ部分で市来が諒の暴論に引いてたから何とかなりそうな気も…)

円は今まで、あと一歩何とかなれば…的な感じでお付き合いに至れないケースが多かったので、市来が5巻のように少しずつ拗らせを解消できれば進展して欲しいなと個人的には推しています。
市来的には円みたいな子が相手なら例の拗らせには繋がらないと思うので。

八代がとうとう千代にプロポーズ!!!と思ったらまさかのクソダサ指輪で笑いました。
(当人に全く悪気がないから更に辛い)
あれは、怒らずに上手く場を収めて結婚指輪は一緒に買おうなノリにした千代をめちゃくちゃ評価したいところ。
また、結婚反対な父親への対応もイケメンで千代自身が王子様なのでは!?と思わずにはいられません。
千代が言う通り、千代父の態度はチャラ男や諒みたいなのを連れて来た時だけにやって欲しいですよね。
上で少し描きましたが、千代両親はナチュラル毒親さがあって結構怖かったです。
(尾崎先生が意図的に描いたのか否かがめちゃくちゃ気になる)

佐和子の過去から今に至る話の男性から理不尽な扱いを受けつつも仕事場では助けて貰ってるという救いのあるオチが個人的にツボでした。
今回はあまり出番は無かったけどやっぱり、諒は佐和子にとって『女性=軽視されて当然』の象徴だったんだなと。
そう思うと、良い人を見つけてほしい……けど、この漫画的には暫く無理そう。
あと、心の勉強会のケースは、本当にありそうなので、もっと広まって欲しい…

 

今回ご紹介したコミックはこちら

※紙媒体・電子書籍、どちらでも購入できます※

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