コミックレビュー

【漫画】心理描写がエグイと有名な「金魚妻3」が衝撃の嵐だった

「夫婦とは何なのか?」を考えさせられる金魚妻シリーズの3が出ました!

黒澤R先生が手掛ける「金魚妻シリーズ」の最新巻が出たので購入しました。

こちらのシリーズは『既に旦那がいる奥様たちが他の男性へ心変わりする様子』を軸したオムニバスストーリー集となっています。
キャラクターの心理描写が丁寧なところに惹かれ、気付いたら1~3(最新刊)巻を発売日直後にゲットしている状態に……

3巻では、新しい女性キャラクターのストーリー2本と、出前妻・金魚妻の続編ストーリー2本な計4本が収録。
金魚妻は2巻でキレイに終わった印象があったのでドキドキしながら、出前妻はその後が気になって仕方なかったのでワクワクしながら読みました。

以下、出前妻2・金魚妻3のざっくりとした感想です。
そこそこネタバレをしているので、これから読む予定の方はご注意くださいませ。

 



出前妻2、金魚妻3の感想

出前妻2

個人的に一番ヒットしたストーリーでした。
まさか前作(出前妻)で抱いた感情がほぼ全部ひっくり返るとは……という衝撃がインパクト大。

前回で夫と共に蕎麦屋を営んでいる杏奈は、常連の男性(五味田)と関係を持ってしまうのですが、

  • 杏奈の義家族は杏奈を蔑ろにしている
    (都合のいい従業員扱いにしている)
  • しかも、あつし(杏奈の夫)の元恋人である祥子の方が大切とばかりに態度の差を見せつけてくる
    (祥子が店に来ると家族総出でもてなし始める)
  • 肝心のあつしも、地味に祥子へ未練がある様子

があり……杏奈が浮気しても仕方ないよなあ、という印象がありました。
あつしが杏奈を愛している描写があっても「優柔不断さ(祥子を振りきれない態度が目立っていた)」があり、へたれな夫だなあ……と感じながら当時は読了した記憶があります。

しかし、今回で杏奈、義家族、夫・あつしに関する描写が掘り下げられることによって全員に別の顔が発覚。
特に杏奈とあつしは、相当印象が変わります。
一応、夫の元恋人・祥子も新しい情報が出てきましたが、思っていたより小物系悪女だったのが残念でした。

前回、いい印象の五味田も結構てきとうな性格が色濃く出て「うわあ…」となったのですが、なんとなく続きがあるっぽい終わり方がしたので、彼についてはそれまで保留……
もし、続きがあった際は安易に『あつしが悪・五味田は善』にならないで欲しいなと願いつつ、黒澤Rさんなら素敵な続編にしてくれると信じています。

金魚妻3

前回、DV夫と無事に離婚し、金魚屋の店長・豊田と結婚した、さくらのストーリーです。
3では、離婚歴のある豊田に関する掘り下げメインに描かれ、彼が離婚に至った経緯も判明。

更に中盤でさくらは、夫婦間を修復させたい豊田の娘から「お父さんと別れてください」と頼まれてしまい……
話の終わり方はすごく和んで「これ金魚妻!?そもそも黒澤Rさんの漫画!!!??」と激しく動揺しました。

あと、2で出て来たさくら一家のキャラクターが凄く好きで、さくらの元夫を締めあげたらしい、さくら兄の詳細詳しく!と思っていた読者的には嬉しいシーンも。
(さくらの両親は年の差婚だった話などもあり)
また、豊田さんの店に常連で来ているおじさんもちょっと出て来てにやけました。

蘭ちゃん(豊田の娘)は、一見きつそうに見えたものの、おちゃめだったり、可愛いシーンが多々あり、かなり好きになりました。
(お父さん想いな一面や、さくら兄とのやり取りが、かなりツボでした)

豊田とさくらのストーリーはサブキャラも魅力でいいですよね。

管理人
管理人

新規ストーリーの風水妻、登山妻も見応えたっぷりな内容でした。
風水妻は一時的な交わり系ですが、後味がよくできればどちらもパートナーとやり直して欲しいなと思いました。
(描写が細かいので、じっくり読むと面白さが増します!)

登山妻は非日常感が強く、キャラクターの心情こそは理解できませんでしたが、こういう人いるんだろうなあ…という弁当妻を読んだ時と同じ感覚が過りました。

因みに、4巻では、見舞妻の続きが描かれるとのことです。
見舞妻は自分の中でキレイに終わった印象があったので(一応、主人公の夫が改心した様子があった)期待と不安が半分ずつなところ。