アニメ系専門学校に通うJKたちの妥協と諦めがたっぷり描かれた「専門学校JK」の闇深さがとんでもなかった件

かつて、ここまで夢見る人を可愛いイラストと現実をもって殴りつけてくる漫画はあっただろうか……！？

専門学校JKは、好きを形にしたい学生たちが集まるアニメ・エンタメ系専門学校で
『なりたい自分』を叶えるために入学してきた女子高校生たちの日常が描かれた内容です。

舞台は有名な代々木アニメーション学院。
しかも、全編を通して代々木アニメーション学院の許可と協力があるため、コメディの中にガチ知識・ノンフィクションネタがあるのが特徴。

そして、作者である、ほっけ様先生自らが
「この本を読んで心が痛む人は正常」
「結論からいうと、誰も夢を叶えられてないし諦めたり妥協する過程がたっぷり描かれている」
と言うレベルでアニメ・エンタメ系専門学校に通う女子高校生たちの闇が詰まっています。

なのに、ギャグがベースってどういうことだってばよ！？

 

専門学校に関連しない方でも、創作経験や神絵師を目指している方、同人サークル活動経験者にも刺さる…

いや、鈍器でガツンとされるほどの衝撃が来る（ただし絵はめちゃくちゃ可愛い）ハートフルボッコなコミックを読み終え、瀕死になったので、この思いを伝えられればとブログ記事をアップした次第です。

以下では感想と共に、ネタバレかもしれない文章があるのでご注意くださいませ。

心が痛む人は正常！？専門学校JKが面白い理由

フィクション・ノンフィクションが絶妙に混ざってる構成故に突然のホラー展開が来る

専門学校JKは、天才肌だけど変わり者のJK・自称天才で努力をしないJK・目的がないけど、とりあえず入学したJK・才能があるのに要領が悪すぎるJK・リセット＆諦め癖がついてしまったJKなど、誰ひとり、まともなJKがいない学園物（？）となっています。

基本的に4コマ構成で、ほのぼのかつダークな漫画が描かれている中、
『これはノンフィクション』ですネタには『本当』というスタンプが押されているので突然ゾッとさせられることも。

 

ノンフィクションネタの一部（本文から引用）

【ライト・笑える系】

• 声優志望者の中にはなぜだか、毎年何人かの神絵師がいる
• イラストレーター志望なのに絵を見られることに抵抗がある新入生はあとを絶たない
• 身内・先生同士のカップリングで妄想する学生も実際にそこそこいる

【ハード・心に来る系】

• 初心がすぐ、おろそかになる学生はそこそこいる
• 入学してすぐ夢をあきらめる生徒は結構いる
• うまく描けないのを『スランプ』のせいにする学生は正直非常に多い
• 一度、科を変えるとリセット癖がつく学生は非常に多い（そして目的を見失う）
• 実力が低すぎる学生は、現実を知るレベルにさえたどりつけないので、自信に満ちあふれている

ハード・心に来る系は、笑いながらも「自分も（創作する上で）あるわ～」と若干涙目になるので必見。

また、

• 東京校ではワンルームレベルの家賃で学生寮に住める
• 代々木アニメーション学院の東京校は、「代々木」ではなく「水道橋」にあり、学生はもやもやしながら学んでいる
• 転科（別の科への移動）を考える新入生にも優しく親身に対応する
• 特殊性癖への理解の深さは（代々木アニメーション学院が）日本一である

※本文より引用

と、代々木アニメーション学院の小ネタも書かれているため、学校案内を読んでいる気分にもなれたりします。

オメガ●ースに対しても真剣に向き合ってくれる学校および先生…イケメン……！！！！

 

創作経験者の心が抉られる所か粉々にされるレベルのパンチ力 

本作最大の見所は、ゴリゴリと創作経験者の精神を削ってくるストーリーなのでは？と個人的に感じています。

ストーリーに個性的な彩りを加えてくれるキャラクターが多い中「神絵師になりたい！」と言って入学したが、練習を全くせず、だらだらと生きるJK・大宮はるこ（社長令嬢なので今までイージーモードで生きてきた）は特に面白いキャラクターです。

マイペースで自分本位な性格は、笑えて、イラつき、未来が気になる（心配になる）…と不思議なコンボを繰り出し、気づくと目で追っている状態に。
そして、「自分もこの子（大宮）みたいな思考してた時あったかも」と黒歴史が自動召喚されることも！？
なんとなく大宮は夢を全く叶えられず、卒業後は自由にダラダラ生きるんだろうなと予想しているのですが…結末は如何に。

そして、ストーリーについてですが、毎回、うっ…と精神に来るのが多め。
ギャグなのに、ほのぼのなのに……辛い……これ、やっぱりギャグコミックじゃないよ。

個人的には、
某キャラがスランプに苦しむ『スランプになる！』回はギャグ・豆知識・あるあるなリアリティさがダントツで凄く、声優科が実際に行う生配信についてが描かれた『生配信する！』回は理不尽なオチ故に後味がとんでもなく悪くなるので、ぜひぜひ読んでいただきたいところです。
（後者はガチで鬱なため息がでたレベル）

 

 

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