コミックレビュー

晴れた空のような爽やかさ×今後の波乱が絶妙な「凪のお暇4巻」で泣いたり笑ったり

前回、とうとう空気を読んで壊れた日々をリセットできる…と思ったら悪化した締めが衝撃だった凪のお暇。
待望の4巻が書店に並びました。

変わりたいと必死になっていたはずなのに、居心地の良さを提供してくれるゴンに恋し、堕落していく凪。

そんな凪の異変に気づき、涙を流す元恋人慎二。
悪意無く、凪を変えてしまったゴン。

3人の関係はどう変わるのか!?

本記事では4巻で面白かったポイントをまとめました。

全体的に爽やかさがありつつも、波乱がいたるところで起こり5巻が3巻読了時とは別にドキドキした内容となっています。

また、凪だけでなく、凪の就活友達・坂本さんの掘り下げやうらら母親の甘酸っぱいエピソードなど、主軸以外にも見所たくさんの巻となっております!



天然メンヘラ製造機に依存し、ダメ女に堕ちきった凪が選ぶ道は!?

メンタルがヘラった凪の目頭熱くなる奮闘劇

慎二との口論、うらら&うらら母親とのやり取りを経た凪は、ある行動をすることにより、今まであった依存体質や偏見などと向き合います。

凪が怪我をしながらも、目標に向かって進み、得られたものは『自分の足で目的を達成できたことだけ』

目には見えないのでどう感じるのかは、凪の思うがまま。
しかし、凪の中では確実に成長を促す一歩になりました。

凪が目標のために行動する中、様々な人と出会い思うシーンは、心が温かくなるので、落ち込んだ時に見ると心が洗われるかも!?

余談ですが、立ち直った凪が久しぶりの手料理を…と作った豆苗&ツナ缶の炒めもの、気になって私も真似したらめっちゃ美味しかったです。

凪の恋愛候補(?)ゴンと慎二、凪との今後がますます気になる!!

3巻で凪と関係を持ち、凪を堕落させてしまった張本人・ゴン。

周囲からは無意識に人をダメにする害悪ドラッグ扱いされる一方で、ゴン自身は『百害あって一利なしの通過点』として見られていることと、面白いから・愛おしいから優しくするのはダメなのか?と悩む独白が綴られています。
(+3巻でちょっと出て来た女性と刺されるレベルの修羅場も載っています)

そして、今回は今までのカノジョたち同様、凪からも別れを告げられてしまうゴン。

まだ『害悪ドラッグ』のように扱われると思った矢先、凪からの別れの理由に驚愕しつつ今までにない想いらしきものを抱くことに……

また、凪への未練タラタラな慎二は、相変わらず凪への想いを拗らせ、段々と苦悩度が上昇していっています。

当の凪は慎二と完全に終わったと思っているのが辛い……
まあ、今まで慎二がした行動的に自業自得なんですがね!

しかも、ラストには過去の凪(ストレートヘアー時代)に似た新人社員との恋愛フラグっぽいのもあり、彼がどの道を選ぶのかが楽しみです。

慎二の心情変化の傍で、慎二の上司がこれじゃなきゃダメだと思って持ち続けていた頭痛薬を思いきって『新しいのに変えた』らよくなったという慎二が新しい恋をすることで、良くなるかも?という示唆がされている描写が絶妙でした。



残念女子・坂本さんの意外な掘り下げ

今まではどこか右斜めな思考と、謎の強引さで凪をトラブルに巻き込んだりとしていた坂本さんでしたが、4巻で高学歴(+神童と言われてたレベル)だけれど、要領を掴むのが下手な不器用な子だと判明します。

特に周囲が坂本さんが高学歴なのをいいことに「これだから高学歴は」とテンプレいびりをする回想はかなりキツイ……

そんな彼女が就職活動中、学生時代の先輩と再会し、とある企業へスカウトされます。
スカウトの話を聞いた凪は胡散臭いと止めますが言い合いになってしまい……
(坂本さんがぶっちゃけ、凪をどう思っていたかも判明)

一生懸命やっても結果がでないことで悩む方にはかなり心に刺さるエピソードでしたので、本軸の凪関連とは別口でぜひ、お楽しみくださいませ。

また、凪と坂本さんがもめながらも友情をしっかり紡ぎ直すシーンも非常にオススメです。

 

うららちゃん、まじ天使!!!!

4巻冒頭で慎二からの説得兼パワハラに硬直する凪を助けたのは偶然通りかかった、うらら&うららの母親でした。
事情はともかく、慎二の暴言と震える凪を見兼ねたうららは体格差があるにも関わらず凪を庇い、慎二を威嚇し始めることに。

その後、慎二はうららの気迫に驚き帰ってしまいますが、あのまま慎二と凪の口論が続いたら凪は過去に過呼吸を起こした時と同じ状態になってしまったと思うので、うららの機転はグッジョブでした。

うららたちは、様子のおかしい凪をそのまま自宅に連れていき、食事とお風呂を振る舞います。
精神的にボロボロだった凪は、うららの温もりと優しさに癒されただけでなく、うらら母からの『ある話』をヒントに自分を変える道筋を見つけ出すことに……

ある意味、凪が変わる超キーキャラクターとなりました。
凪のお暇2大天使は、うらら&うらら母で決定ですね!

 

【まとめ】自分で解決に至った凪に涙…!!

凪の精神状態が不安でしたが、自らの足でしっかり解決した描写で安心しての読了でした。
安易に慎二やうららちゃんが何とかした!に終わらせないのがこの漫画の魅力かと。

そして、相変わらず次の巻が待ち遠しくなる締め方で素晴らしい!!!

更に、凪および、読者側に地味なもやもやを募らせていた坂本さんのエピソードを挟んでくれるとは…

坂本さんの葛藤は色々思うところがあり、以前に凪を婚活パーティーに連れて行った時のマイナスが見事プラスに変わりました。
(あのエピソード、普段読者のヘイトを溜めてる凪の元同僚が少しだけ可哀想に見えるくいらいの内容でしたからね……)

慎二が凪に恋して初々しい夢を見る余り「俺ってもしかして童●だったのか?」と言い出すシーンで笑って落ち着いた後、凪に対しては童●の勢いで恋してたのでは…とちょっとした闇深感を感じたのが面白かったです。

ゴン関連はひとまず終わったものの、凪にとっては就職や母との対峙など課題がまだまだあるので、5巻も楽しみに待ちたいと思います。