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【漫画】ゴミ屋敷とトイプードルと私|やらかしガールたちの末路が笑えないレベルだった(無印~ラブと癒やし編)

自分大好き、もっと私を見て!な女性たちが主にSNSを通して奈落に堕ちる系コミック・ゴミ屋敷とトイプードルと私

以前からネットサーフィンのバナー広告で拝見したり、人づてに「サヤ編が推理物っぽくて面白い」などと聞きき物凄く気になっていました。

しかし、読み切り版で酷い扱いをされているであろう犬(ヒロインが飼っているトイプードル)の描写が見たくなくてずっと見合わせていました

……が、最終的にトイプードルは助かると知ったので購入&一気読みへ。

基本的に自己承認欲求のために女性キャラクターが暴走するストーリーなものの、勉強になる部分や燃える部分などもあり、もっと早く読んでおけばよかったと感じている次第です。

以下では読んだ感想をややネタバレをまじえて語っておりますのでご注意くださいませ。

※本ページでは「読み切り版」「港区会デビュー編」「ラブと癒やしとホントの私編」までの感想となっております※

 



ゴミ屋敷とトイプードルと私、3作のあらすじ

これぞ元祖!無印編(読み切り版)

ある意味、全ての始まり的なやつ。

主人公は親や取り巻きにチヤホヤされ続け、その感覚が抜けきれないまま34歳を迎えてしまった明日香。

自称・キラキラ女子。

彼女は自分大好きすぎて、とにかく他人は消耗品扱い。
姉が結婚すれば、旦那を誘惑し不●の関係を持ってマウントを取る。
父親が入院すれば「お金はどうするのよ!」と逆ギレ。
SNS映えするからと、トイプードルを飼うものの、面倒は見ず…

とにかく突き抜けた自分本位ガールです。

最終的に明日香は後輩(港区会デビュー編の主人公・サヤ)に陥れられ社会的地位を失い落ちぶれてしまいます。

私的には、明日香の転落っぷりよりも
『明日香は両親の過剰な甘やかしが原因でああなったのでは?』
という闇が一番印象的でした。
(明日香両親はとにかく明日香を可愛いともてはやし、姉の今日子の扱いは適当だったのが作中で判明します)

母親に至っては立場が危うくなると、散々逆贔屓していた今日子側に行き、父親の介護を明日香に全任せするというオチ。
父親の介護に関しては、明日香にも非があるのですが、うーん、子が子なら親も親だな。

明日香自身も相当なクズですが、それ以上に明日香両親が毒親すぎて彼女は被害者だったのかなと思わずにはいられませんでした。
ただし、トイプードルに対する扱いが許せないので擁護をする気は0。

人間、都合良く褒められるばかりだとダメになってしまうんだなという教訓が濃く練り込まれた作品だと思います。

そういえば、今日子(明日香の姉)は、明日香のせいで瀕死になったトイプードルの面倒を見て家族の一員にしたり、浮気した旦那を見て見ぬフリ(子供のため&明日香へのマウント?)したりと随分な苦労をされているので今後は報われて欲しいところです。

できれば、毒母と浮気旦那をスッパリ切って子供&トイプーと幸せになって欲しい……

 

SNSやセレブの闇が満載。#港区会デビュー編

『ゴミ屋敷とトイプードルと私』シリーズの人気作。

上でご紹介した、読み切り版にて明日香を陥れたサヤが主人公。
彼女は、過去のトラウマと劣等感により、とにかく自分を輝かせたい性格。

フォトスタ(インスタ的なやつ)依存でもあり、何かあればすぐにフォトスタ投稿を欠かさず、他人から羨ましがられることを生きがいにしています。

本作序盤では、社内のイケメンエース・徳井と婚約。
その後、キャリアアップのため、営業へ異動し自らを磨きあげて行くサヤでしたが、営業の先輩たちから、『特別な女性だけがいけるパーティー』があると聞き参加。
そこで、パ●活にはまり、泥沼にはまっていくストーリーとなっています。

パ●活によって婚約者との間に溝ができたり、フォトスタに謎のストーカーが現れたり
サヤが憧れている人物(フォトスタのトップ)が実はサヤの傍に居たり、
婚約者が地味な派遣社員の女性に心変わり→派遣社員の女性が何物かに大けがを負わされる
注目されたいサヤがフォトスタでやらかしまくったり…と、ブレーキ無しの展開。

段々とサヤがネット上でネタ(玩具)として晒しあげられていくのがリアルでゾッとしました。
また、分かりやすい謎から、最後になってようやく分かる謎まで多数の伏線があるのが見所です。

明日香同様、サヤに関してもなぜ、キラキラな存在に拘るのかが判明するのですがこれはサヤというか、両親が悪意の犠牲になって(サヤ父の●●に対する真相はぼかされていましたが、冤罪に感じました)という重い事情で驚きました。

サヤが今に至るまで必死に努力した部分はとても尊敬できるのですが、途中で性格が歪んでしまったようですね。
あれで人の気持ちを分かれる子になっていれば、なりたい自分になれていたのでは?な惜しさが絶妙。

そういえば、サヤの元婚約者の徳井はこの作品で常識人っぽい描写でしたが無印版では結構なクズだったので「おまえ…急に改心してどうした?」となりました。

即、派遣社員の子に乗り換えたのはアレでしたが、ラストのアレコレ的な意味で女性不審になって暫く恋愛できなさそう。



無印版のヒロイン復活!ラブと癒やしとホントの私編

読み切り版で落ちぶれた明日香に再びスポットがあたった驚きのシリーズ。

父親の介護に疲れ、かつての面影がなくなった明日香がとあるサロン(詐欺会社)のトップに感化され自分を変えていく話。
※サロンは、悩んでいる人の心の隙をつき、高額な水を売りつける違法な会社です

増加に増加を重ねた体重を減らしたりと元の姿へ戻ろうとする部分に好感を持てたのはつかの間、実は父親の介護を途中で逃げ出していたり(+金も勝手に持ち去った)
サロンの一員となり、高額で効果の無い水を販売していたり…と相変わらずの暴走さを披露。

明日香の情弱っぷりはやっぱり親の教育が原因なのかな…
改めて明日香家の闇を感じました。

オチ的には、サロンはとある人物により摘発→警察が介入→明日香は借金地獄&「社会の底辺」と言われてしまうレベルになるのですが、個人的に明日香が(当人は水を売りつけるために言った)アドバイスした女性がそれを信じて本当に綺麗になったというエピソードに少し涙腺が緩みました。

あと、明日香の嘘に騙されて子供を●しかけてしまった母親の話も闇が深い…
(母親が頼りないかと思いきや、旦那がなかなかのクソっぽいので)

明日香をそそのかしたサロンのトップは、化けの皮が見え見えで実は…で面白かったです。

他のシリーズとは異なり、ラストの明日香がどうなったのかが、ぼかされていたのでいつか続編がやるのでは予想しております。

本シリーズは、前回でやらかして落ちぶれたサヤのその後がも見れたりするのも面白いポイント。
彼女も明日香と同じく全く変わっていないのが皮肉ですね。

サヤは、とあるエピソードで、とあるキャラにそそのかされてましたが、今後が凄く気になります。
(あと、彼女と同居しているであろうストーカー男がどうなったのかも)

そして、相変わらず、今日子の旦那はクズだった。

ブレずに新シリーズ暴走連載中!

2019年6月現在では「キラキラtuberまみりこ編」が連載中。

SNS上でトップに立ちたい元売れなかったアイドル女性が、あらゆるものを利用して輝こうとしているユー●ューバーネタという色々ギリギリな内容の模様。
やらかし系というより、女と女のエグイ戦いがメインです。
顔芸も従来のシリーズより多めで凄い。

『ラブと癒やしとホントの私編』が、色々謎を残しての完結となったので、上手くリンクするのか、完全に新作なのかが気になっているので、こちらも購読予定です。

 

【総評】過激版SNS教科書になって欲しいシリーズです

SNSはじめる前の教科書になりそうな内容かつ、相手が自分勝手な人種かを判断する材料になったり、甘い言葉の裏を察知するヒントを得られたり…などなど読めば読むほど奥深さを感じるので、いわゆる「やらかしガールで飯ウマする」以外にもたくさん楽しめる要素のある漫画です。

特に承認欲求関連は過激ながらも、実際に似たようになっているケースは一定数いそうな気がするので、SNS疲れ時に自らを振り返れるかも!?

ラブと癒やしとホントの私編の感想で少しふれた、明日香に騙されてたけどそれでなりたい自分になれた女の子の話は、トイプーシリーズとは思えないくらいほっこりしてしまったのと、それが描写されるタイミングが凄い(実際に読むと分かります)のでとてもインパクトがありました。
大体は破滅するけど、その中で救われている人も実はいた的な。

因みに推しは港区会デビュー編の中山さん(派遣社員)です。
彼女の●●されたら数億倍にして●●するスタイルはリスペクトしたい……好き。
(何をリスペクトしたいのかはネタバレになるので自重)
いつか、中山さん視点の話が見たい読者だったりします。
彼女が主役になるとやらかし系にはならない気もしますが。

 

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基本的に電子書籍コミックの1話区切りタイプですが、人気の港区会デビュー編は待望の紙媒体化が決定しました!

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無印(読み切り)編

#港区会デビュー編

ラブと癒やしとホントの私編

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