今月も無能なナナを読む楽しくも辛い(展開的な意味で)時間がやってきました!
相馬からの追及に反論できる材料が無いどころか、じわじわと不利な証拠が出て苦渋を強いられるナナ。
キョウヤをはじめとした周囲が協力するものの、決定的な論破が出来ぬままが続きクラスの雰囲気は悪くなる一方。
唯一、現状を打破できるであろうモエは、最愛の祖母・サチヨとの別れと大きな決断が迫られ……
言葉の意味を問われる60話。
各キャラクターの台詞が非常に意味深な内容となっています。
本ページでは、60話(モエPART6)の内容および、感想を語っております。
核心部分は避けていますが、ネタバレは多少なりともしておりますので、ネタバレ厳禁な方はご注意ください。
↓前回(59話)の感想記事はこちら↓
無能なナナ 60話のストーリー
3ポイントでまとめてみた60話の展開
- 命が残り少ないのを察したサチヨは鶴岡に自分の罪を語る
自身の死後はモエを普通の学校に行かせて欲しいと頼み、鶴岡はそれを快諾する - ナナは相馬の追及に対抗するべく、キョウヤたちと被害者・西条の部屋を訪れる
そこで西条の能力だけでなく、隠された想い知ることになり… - サチヨの容体が悪くなる最中、モエは祖母を看取った後、軍を抜けるよう鶴岡から命令同然の提案をされる
祖母の意思を尊重して楽になるか、ナナの味方をして苦を負うか、モエは選択を迫られることに
【補足】逆転劇が描けないナナと無知状態で選択を強いられるモエ
サチヨは、モエの過去(親から虐待を受けていた)を知っているが故に、間違いを犯しても叱りつけることができずにいたと鶴岡に告げる。
なんとなく、楽だから……と都合が良い方ばかりにいくモエは真実を知らぬまま、祖母の死期が近づいているのも理解できぬまま鶴岡から、真実を練り込まれた残酷な選択を迫られることに。
また、この際にはモエの『軍内の役割』も判明する。
ナナは相馬と戦うべく、西条の部屋をキョウヤ・サチコ・フウコと共に探索する。
探索をする中で『西条の能力』『西条と相馬の因縁』『西条の恋心』について知るが、有益な証拠は見つからず。
更に、相馬犯人説を考えるも、決定的な証拠が全く無く、難航一辺倒となる。
(相馬は軍のコネがあるので、わざわざ車を使う利点が無い。また、西条の能力とは相性が悪い)
【感想】楽と苦を伴う友情…モエの選択は前者のままなのか!?
創刊30周年というハッピーな少年ガンガン事情とは裏腹に悲しくも胸がざわつく話でした。
(30周年記念の描き下ろし漫画があるのですがほのぼのギャグなため、温度差が凄かった…!!現時点の味方側ほぼオール+αな可愛い話なので是非雑誌で確認して欲しい。キョウヤ体はり過ぎ!!)
西条の想いに対するナナの反応、これまで普通からは遠い境遇だからこそで切なかった…
どこか理解しきれないような表情や台詞も併せて好きです。
そして、西条の能力や、相馬との関係値が分かっても、更に謎が深まる感じが面白い……!
相馬の能力(これについては、本当に電気なのか怪しいですが)は西条に対して不利である件や、わざわざ車を使うのが意味不明すぎて全然オチが予想できないです。
鶴岡の決して嘘を言っていないスタンス……改めて見ると形容し難い怖さを感じますね。
サチヨの願いを矛盾が無いようモエに伝え、事を自分寄りに進める狡猾さがたまりません。
更に、サチヨの善属性に対する執着もスマートながらガチで深くてストーカーとかちゃちに思えるレベル。
彼女との『善』を楽しみたいからという理由で、福祉施設へ多大な援助をしている上にサチヨの治療費の負担もしてるとか入れ込み具合が半端ない……!!!
一体、サチヨとの関係のためにおいくら万円使ってるの!?怖い!!!!
サチヨとモエの関係は、きつい言い方すると『優しい虐待(モエが逃げ癖・無邪気過ぎる残酷性を持った状態になってしまった)』にも思いつつ、サチヨはモエの境遇を知っているから故の選択だと思うのが辛いところ。
ラストでモエは鶴岡の言葉を受け入れ、ナナのアリバイ証言をしない流れになりつつありますが、モエがサチヨに言われた「ナナちゃんを大切になさいね」を覚えているのか(実行できるのか?)が大きいキーになりそうですね。
確かにサチヨは「幼い頃苦しんだのだから辛いことに立ち向かわなくて良い」って言ったけど「楽するために友人のナナを適当に扱って良い」とは言ってないんだよ!!!!!!
鶴岡の「嘘を一切言ってない」スタイルなモエ圧迫パートの寒気が凄かったです。
人心掌握が本当に上手い……
あと、コハルを間接的に殺した件をガッツリ指摘されててモエの所業を改めて感じたり。
読者の99%は鶴岡と同じこと感じたと思う。
西条の部屋調査時、サチコが相馬に続き西条の能力も曖昧なのはフラグなのか気になるところ。
実は相馬に口止めされてる可能性も?
あと、やっぱりリュウジくんは有能だったんだね!!!と先月号に続き思わざるを得ませんでした。
※8巻はここまでの話が収録されています※